2014年8月30日土曜日

ASP-DAC 論文選考会議 & EDAワークショップ

8月25日と26日に韓国のDaejeonにて開催されたASP-DACの論文選考会議とEDAワークショップに参加してきました。石原は8年ぶりにTPCへ復帰しましたが、2007年のレベルから大きくレベルアップしていました。もはや姉妹会議のDAC, ICCAD, DATEと大差ないというのが多くの委員の印象です。論文採択率はトラックに依りますが30%前後と非常に狭き門となっています。このような会議に論文が採択されるためには、一件や二件の論文投稿では不十分で、多くの欧米や韓国台湾の常連研究室は5本から6本の論文を投稿して2件〜3件採択されるというのが良くあるパターンのようです。つまり、この手の会議に定常的に5本から6本の論文を投稿できるようにならなければ世界では戦えないということになります。うちからは2件の論文を投稿して1件が採択されました。もっと頑張らねばなりません。

2014年7月19日土曜日

MPSoC 2014 で講演

7月7日〜11日にフランスのマルゴーにて開催されたMPSoC 2014に参加して来ました。この会議は招待講演のみの会議です。ユニークなのは、①講演者は企業の中堅以上の研究者かまたは大学の准教授クラス以上の教員ということ、②産業界と大学からの講演者がほぼ半々であること、③講演者の発表が参加者全員に採点されること、です。非常に緊張感があります。韓国のとある先生は、採点結果が気に食わなかったために(本人曰く)二度と参加しなくなってしまいました。

通常の国際会議も勉強になる会議も多いですが、やはりPh.Dの学生の研究成果発表の場になっている会議がほとんどで、各論の議論がほとんどです。それに対してMPSoCは研究の方向性を議論する非常に良い場になっています。しかも今の時代は産業界の参加者が少なくなってしまった会議が多いですが、MPSoCはいまだに多くの第一線で活躍する産業界の研究者が講演してくれます。これをずっと続けているJerraya先生は偉大だと思います。

石原は"Near-Threshold Computing on Heterogeneous Multicore Architectures"と題して発表しました。講演資料は活動紹介のページにアップします。

2014年6月26日木曜日

Bristol大学から3名が来訪

6月16日から18日の3日間、Bristol大学から3名の研究者(Dr.Simon Hollis, Dr.Steve Kerrison, Dr. Kyriakos Georgiou)が当研究グループを訪問しEnergy-Aware Computingに関する意見交換を行いました。京大側は佐藤高史研、高木研(高瀬先生のみ)、小野寺研の数名が参加しました。先方の興味はもともとシステムレベル設計技術にあったため、リアルタイムOSやソフトウェアの電力解析などを中心に議論しました。3人とも生き生きとしてバイタリティに溢れる研究者で、こちらもエネルギーをもらいました。京都は彼らの来訪期間中ずっと天気が良く、京都を満喫していました。

2014年4月17日木曜日

EGSプロジェクトの活動を継続

内閣府の最先端・次世代研究開発支援プログラムのサポートにより3年と2か月の間、組込みグリーンシステムのプロジェクトを実施してきましたが、最先端・次世代プログラムのサポートは先月末で終了となりました。重点的な研究費の補助により通常の研究ではできないことができました。環境発電に適した新しい組込みプロセッサのアーキテクチャを提案し、それを先端プロセスで実チップとして実現し、実際に振動発電と小型の太陽電池で安定動作させることに成功しました。

本年度からは科学研究費補助金の支援で、上記プロジェクトを発展させる予定です。最近は、科研費のデータベースが非常に早い時期に更新されるので、既に今年度の内定情報が公開されていることに気づきました。環境発電システムの制御アルゴリズムやプロセッサの電力管理アルゴリズムなどを中心に発展させる予定です。

2014年4月2日水曜日

DATE2014のユニバーシティブースに出展

2014年3月24日から28日までドイツのドレスデンで開催されたDATE2014に参加し、ユニバーシティブースでEnergy Harvesting Embedded Systems のデモを行いました。今回の内容は、

1.試作したプロセッサチップ上でToppers OSが動作するデモ
2.試作したクアッドコアプロセッサチップが1mW以下で動作するデモ
3.振動で発電するデバイスを使って試作プロセッサが動作するデモ
を紹介しました。

Toppers OSのデモでは待ちタスクの数に応じてプロセッサの動作モードを動的に切り替えることで従来型の単純な動作モード切替に比べて消費エネルギーを30%削減できることを示しました。通常は1.2V動作と0.7V動作を瞬時に切り替えますが、長期間にわたって高い性能を必要としていない場合は、PLLを止めて周波数を6.25MHzまで落とし、CPUコアの電圧を0.48Vまで、キャッシュなどの電圧を0.7Vまで落とすことにより、1mW未満まで消費電力を落とすことができます。
最後の振動発電のデモは、もともとは懐中電灯用の発電デバイスを少し作り変えたものを約1Hzで振ることにより約20mWの電力を発電させ、それを使ってプロセッサを動作させます。振動発電デバイスの出力電力を直接チップに使うと不安定になりますが、高効率DC-DCコンバータで安定化させることによりチップが安定して動作します。デモに使用したポスターは近日中に活動報告のページにアップします。

2014年3月16日日曜日

ETNET@石垣島で2件発表

3月15日と16日の二日間で石垣島にて開催されたETNETで高瀬先生と李さんがそれぞれ発表しました。
それぞれのタイトルは、
「排他動作する非均質マルチコアプロセッサとそのリアルタイムOSの実装」←高瀬さんの発表
「Evaluation of Charge Scheduling on a Multi-Banked Supercapacitor Architecture for Energy Harvesting Embedded Systems」←李さんの発表
です。

高瀬さんの発表は非常に好評でした。今流行りのコンパニオンコア@nVIDIAやbig.LITTLE@ARMと類似したアイデアを世界に先駆けて提唱していたと言い切ったことが受けたようです。
今回の発表はbig.LITTLEのような高性能コアと省電力コアの2種類の排他動作するコアを効率よく使うためのAPIの話でしたが、電力制御アルゴリズムに関してはこのAPIを使ってまだまだたくさんのアグレッシブなことが出来ます。今後発展させていきます。発表に使った資料は近日中に活動報告のページにアップします。

2014年2月17日月曜日

スマホの電力解析技術が特許登録

九州大学にいた際に、NTTドコモとの共同研究の中で申請した特許が登録されました。

特許 2009-262303: 消費電力評価装置、電力係数作成システム、消費電力評価方法及び電力係数作成方法。

下記の論文が関係しています。
http://www.c.csce.kyushu-u.ac.jp/lab_db/papers/paper/pdf/2009/kaneda09_1.pdf

この特許は、スマホや携帯電話の上で動作するアプリケーションの消費電力を個別に解析する技術です。スマホや携帯電話のハードウェア自体が消費する電力を見ようと思えば単純に電流計で測定すれば良いわけですが、複数のアプリケーションが時分割で動作するシステムでは個別のアプリケーションが消費する電力を解析するのは非常に難しいです。そこで、アプリケーションごとのCPU占有率やメモリ使用量などのパラメータからそのアプリケーションが消費する電力を見積もるモデルを作成し、精度よくアプリケーションごとの消費電力を見積もることを可能にしました。CPUや無線チップおよびストレージなど別々のハードウェアコンポーネントごとの電力解析も可能になります。さらに、この電力解析モデルをアプリケーション開発環境に適用することによって、アプリケーション開発前にシミュレーションで電力消費を見積もることができ、電力消費の小さいアプリケーション開発が可能となります。この技術の基本的な考え方は現在のNEXTプロジェクトの中でも生かされています。