2014年2月17日月曜日

スマホの電力解析技術が特許登録

九州大学にいた際に、NTTドコモとの共同研究の中で申請した特許が登録されました。

特許 2009-262303: 消費電力評価装置、電力係数作成システム、消費電力評価方法及び電力係数作成方法。

下記の論文が関係しています。
http://www.c.csce.kyushu-u.ac.jp/lab_db/papers/paper/pdf/2009/kaneda09_1.pdf

この特許は、スマホや携帯電話の上で動作するアプリケーションの消費電力を個別に解析する技術です。スマホや携帯電話のハードウェア自体が消費する電力を見ようと思えば単純に電流計で測定すれば良いわけですが、複数のアプリケーションが時分割で動作するシステムでは個別のアプリケーションが消費する電力を解析するのは非常に難しいです。そこで、アプリケーションごとのCPU占有率やメモリ使用量などのパラメータからそのアプリケーションが消費する電力を見積もるモデルを作成し、精度よくアプリケーションごとの消費電力を見積もることを可能にしました。CPUや無線チップおよびストレージなど別々のハードウェアコンポーネントごとの電力解析も可能になります。さらに、この電力解析モデルをアプリケーション開発環境に適用することによって、アプリケーション開発前にシミュレーションで電力消費を見積もることができ、電力消費の小さいアプリケーション開発が可能となります。この技術の基本的な考え方は現在のNEXTプロジェクトの中でも生かされています。