2014年4月17日木曜日

EGSプロジェクトの活動を継続

内閣府の最先端・次世代研究開発支援プログラムのサポートにより3年と2か月の間、組込みグリーンシステムのプロジェクトを実施してきましたが、最先端・次世代プログラムのサポートは先月末で終了となりました。重点的な研究費の補助により通常の研究ではできないことができました。環境発電に適した新しい組込みプロセッサのアーキテクチャを提案し、それを先端プロセスで実チップとして実現し、実際に振動発電と小型の太陽電池で安定動作させることに成功しました。

本年度からは科学研究費補助金の支援で、上記プロジェクトを発展させる予定です。最近は、科研費のデータベースが非常に早い時期に更新されるので、既に今年度の内定情報が公開されていることに気づきました。環境発電システムの制御アルゴリズムやプロセッサの電力管理アルゴリズムなどを中心に発展させる予定です。

2014年4月2日水曜日

DATE2014のユニバーシティブースに出展

2014年3月24日から28日までドイツのドレスデンで開催されたDATE2014に参加し、ユニバーシティブースでEnergy Harvesting Embedded Systems のデモを行いました。今回の内容は、

1.試作したプロセッサチップ上でToppers OSが動作するデモ
2.試作したクアッドコアプロセッサチップが1mW以下で動作するデモ
3.振動で発電するデバイスを使って試作プロセッサが動作するデモ
を紹介しました。

Toppers OSのデモでは待ちタスクの数に応じてプロセッサの動作モードを動的に切り替えることで従来型の単純な動作モード切替に比べて消費エネルギーを30%削減できることを示しました。通常は1.2V動作と0.7V動作を瞬時に切り替えますが、長期間にわたって高い性能を必要としていない場合は、PLLを止めて周波数を6.25MHzまで落とし、CPUコアの電圧を0.48Vまで、キャッシュなどの電圧を0.7Vまで落とすことにより、1mW未満まで消費電力を落とすことができます。
最後の振動発電のデモは、もともとは懐中電灯用の発電デバイスを少し作り変えたものを約1Hzで振ることにより約20mWの電力を発電させ、それを使ってプロセッサを動作させます。振動発電デバイスの出力電力を直接チップに使うと不安定になりますが、高効率DC-DCコンバータで安定化させることによりチップが安定して動作します。デモに使用したポスターは近日中に活動報告のページにアップします。