2015年1月30日金曜日

VLD研究会で発表

修士2年の竹下君が電子情報通信学会のVLD研究会で発表しました。
タイトルは「電源電圧としきい値電圧の同時最適化が集積回路の消費エネルギーに与える影響の解析」という弱気な感じですが、実際には「VDDとVTHは同時には最適化しなくてもいいよ」という内容でした。特にニアスレッショルド動作だと、電源電圧を動的に制御してもほとんど意味がなく、離散的な少数のしきい値電圧だけを切り替えて使えば、要求性能に合わせてエネルギー消費を最小化できるということを明らかにしたのは意外で面白い成果です。
20分の発表では十分に伝えきれていない可能性が高いですが、この研究は磨けばもっと面白い話になりそうです。

2015年1月25日日曜日

ASP-DAC 2015で発表

1月20日〜22日の3日間、幕張メッセで開催されたASP-DACにて修士課程1年の塩見君が研究成果を発表しました。しきい値電圧付近の低い電源電圧でLSIを動作させるときの重要な性質を定理としてまとめ解析的に証明しました。例えば、並列数が多く論理段数が非常に短い回路は、しきい値近傍電圧ではプロセスばらつきの影響を強く受けるので結局あまり速く動作しないということを示しました。質疑応答も一人で受け答えし、修士課程1年の発表にしては上出来です。この発表は、電子情報通信学会VLD研究会から、“IEICE VLD Excellent Student Author Award for ASP-DAC 2015”を授与されることが決まっています。また、塩見君は3月にもISQEDというサンノゼで開催予定の国際会議にて「ニアスレッショルド電圧動作に適したメモリ回路」の発表をすることになっており、大活躍です。しかし世界のトップクラスの学生は一人で毎年4〜5件の国際会議発表をしますから、そこかまたはその上を目指してほしいものです。