2012年7月19日木曜日

サウジアラビア国立ジャーザーン大学から訪問団来訪

7月17日にサウジアラビア国立ジャーザーン大学から教授一人と学生9人が研究科の見学に訪れました。小野寺研への訪問希望があり、Leeさんと石原が対応しました。見学に来られた教授は、静岡大学で学位を取得したそうで、日本のことを良くご存知でした。我々の研究室の活動の一つとして“Energy Harvesting Embedded System”の紹介をしたのですが、この教授はWireless Sensor Networkの研究をされているそうで、我々の研究内容も良くご存知でした。我々の説明の途中、何度か、教授が9人の学生たちに対してアラビア語で説明を追加していました。VDECのチップ試作サービスや実際のプロセッサチップを紹介すると、学生たちは目を輝かせて興味を示していました。「最近のスマートフォンにはデュアルコアプロセッサが搭載されているが、我々のチップはトリプルコアプロセッサだ!」と説明すると感心してくれました。学生たちの反応が新鮮でした。説明で使った資料は研究活動のページにアップします。

FDSOI

先日カナダのモンテベロで開催されたMPSoC2012に参加しいろいろ刺激を受けました。MPSoCはもともと、Multi Processor System on Chipに関する会議としてスタートしたのですが最近ではなんでもありの会議になっています。そんな中、フランスのCEA-LETIの研究者からFDSOIに関する講演がありました。CEA-LETIはこの会議の運営委員長であるJerrayaさんが所属する国立の研究機関です。CEA-LETIは比較的大規模なクリーンルームを所有し、完全空乏型(Fully Depleted)のSOI (Silicon on Insulator)を製造できる設備を備えているそうです。FDSOIはバックゲートの制御性が良く(制御範囲が広く)、Sub-threshold slopeもBulkより良いので注目すべきデバイスであることは知っていましたが、まだまだプロセスコストが高く量産に使えるようになるには時間がかかると思っていました。しかし、この講演者の話では、コストはBulk CMOSとほとんど変わらないとのこと。私はプロセスのことは良くわからないのですが、コストに関して見劣りすることが無いのであればFDSOIは思っていた以上に魅力的なデバイスです。会議後も講演者のBeigneさんに連絡を取っていろいろ聞いているところですが、継続して調べたいと思います。

2012年7月18日水曜日

MPSoC2012で講演

7月9日~13日の間、カナダのケベック州モンテベロで開催されたMPSoC2012に参加してきました。去年に続き5回目の参加、3回目の発表です。MPSoCの講演はすべて招待ベースで、比較的シニアな研究者(大学でいうと准教授以上)が将来の研究の方向性を議論する会議です。特定の研究成果に関する講演は少なく、研究の方向性を示唆する発表をする講演者が多いのですが、私は毎回特定の研究ネタ(小ネタ)を発表しています。昨年はスクラッチパッドメモリの管理技術の講演をし、今年はその拡張という位置づけでGuさんが取り組んでいるループキャッシュの話をしました。小ネタのつもりでしたが、意外と興味を持ってくれた人が多く、数人の方から質問をもらいました。ARMのJohnさんにコメントしてもらえて感激でした。「一般性が無いんじゃないの?」という感じのネガティブなコメントでしたが。。。発表スライドは近日中に研究活動のページにアップします。
ところで、国際会議に参加すると日本人はいつも日本人同士でつるんでいます。そのことは外国人は皆感じているようで、TensilicaのChrisさんは「日本人はいつも日本人同士で集まるね」と言っていました。Chrisさんは「Italians also get together, many French do similar. But Germans hate to get together」と言っていました。だから結果的にドイツ人は非英語圏にも関わらず皆英語が上手です。日本人も見習わないといけないです。私は国際会議では日本人同士でつるまないように心掛けています。